司法試験予備試験の合格には、長い時間がかかります。方向性を間違えると合格まで時間がかかってしまうことが少なくありません。
そこで辰巳法律研究所の人気講師である西口先生が動画『予備試験・司法試験 基本の「き」総論編』で徹底解説します。
この動画解説では五つのテーマを中心に説明しています。
【西口竜司先生が動画で解説】「予備試験・司法試験 基本の「き」総論編」
司法試験の目的と基本的な概念の重要性
司法試験予備試験を受ける目的は基本とその応用力です。したがって合格には基本的な概念を把握して、応用力をつけることが大切です。
西口先生はパレートの法則を用いて、基本2割に注力することで効率的な学習が可能であると話します。全てが全力投球ではなく、2割を大切にすることで、応用問題も解けるようになるわけです。
さすが西口先生です。弁護士でありながら中小企業診断士試験の指導、ブログ記事の執筆、さらにSASUKEまでと納得です。
基礎のマスターに必要な収録時間は講義時間は300時間
歴史のあるLEC予備試験講座 の入門講座は300時間、アガルート予備試験講座の総合講座(インプット講座)も約300時間。
スクールによって多少の変化はあるものの、300時間が基本のマスターに必要な講義時間です。
2割が大切と話しましたが、学習量が少なくていい、ということでありません。法律7科目の基礎をマスターするには、やはり300時間前後の講義は必要です(倍速で視聴すれば300時間もかかりませんが)
注目すべきは資格スクエア予備試験講座です。令和5年度(第10期)から、インプット時間を従来よりも減らし、その分、論文対策に力を入れています。合格力アップが目的です。
講師陣も、予備試験の論文1桁合格者、短答1位合格者など、強力な布陣です。
【参考動画】資格スクエア予備試験講座、短答1位講師が教える 短答出題テーマ TOP5~民法編~
条文を正しく読む
司法試験予備試験の一番の難関は論文試験であり、その論文試験に合格するには論点の学習が必須です。
もっともすべての法律学習のスタートは「条文」です。条文こそすべて、と言っても過言ではありません。
そんな条文を正しく読めないことがあります。これは法学入門や基礎法学でしっかり学習するべきです。
アガルートでは法学入門の講座「豊村講師の法学入門」(なんと受講料は550円)があるので、自信がない方は受講しましょう。元LECの人気講師・豊村慶太先生がてきぱきと説明するので短時間でマスターできます。
【ガイダンス動画】【豊村講師の法学入門】難解そうな『法学』を楽しく&分かりやすく解説!
答案の書き方
論文答案は問題文を読み要点を把握することがスタートです。
論点ありきの答案は低い評価になりがちですが、しかし問題によっては論点から逆算して答案を作成する場合もあります。
これにはLEC予備試験講座 の論文基礎力養成講座(いわゆる論基礎)で、論文答案の書き方、基礎(作法)を学びましょう。
スピーディーなパソコン操作も重要に
また論文試験では書くスピードも大切です。しかし2026年度からパソコンでの回答が導入されます。
したがって、これから合格を目指す方はパソコン操作に慣れておく必要があります。「正確に」「スピーディーに」入力するタイピングが合格条件となるわけですね。
論文試験に大切なこと
動画の後半では論文試験の合格に向けて必要な能力を解説しています。
具体的には法的三段論法を意識することや、論証のロングバージョンとショートバージョンの切り替えなど具体的なものですが、これは実際に答案を作成してみないと身につかないものです。
初学者の方は最初のうちは答案はかけませんが、練習を重ねることで答案が書けるようになります。
短答対策で大切なこと
短答式は知識を問われるため、一問一答などの問題集で学習しがちです。
間違ってはいませんが、背景となる知識の確認や条文の趣旨を確認することで理解が深まると西口先生は話されています。
過去問演習と完択の往復が、合格への近道であり王道なのだ
基本的には論文対策の勉強することで条文の趣旨制度の内容が理解できます。
したがって、あくまでも学習のメインは論文試験対策。そして年明け直前期に短答式対策として、LECの完択こと、完全整理択一六法を使って短答プロパーの知識をインプットするのがおすすめです。
このインプットも、漫然と完択を読むのではなく、実際に過去問を解きながら、その都度確認するのがベストな学習法であり、王道、鉄板とも言えます。頑張りましょう。