18歳3か月で司法試験に合格した凄い人(大槻凜さん)がいる。現時点で史上最年少だが、これからも記録は破られる可能性は少ないだろう。
そんな史上最年少で司法試験に合格した大槻さんと、ベテラン受験生になりつつある私とどう違うのか?
恥を忍んで、爪の垢を煎じて飲む、が如く彼の勉強法を分析してみたい。
- 慶応大法学部1年で司法試験に合格
- 私立中学&高校
大槻さんのスペックはこんな感じ。大変優秀な方だが、同じように中高一貫から慶応法学部に進む方は多いはず。なぜ史上最年少なのか?理由を自分なりにまとめてみた。
かなり強いモチベーション
中学1年にはすでに裁判所に傍聴に行っていた、という。平日は学校があるので、夏休みなどを利用して裁判所へ。
司法試験の勉強を始めたのは高校1年の2月ですが、そもそもは、中学1年の秋に東京地裁で刑事裁判の傍聴をしたことがきっかけです。
――中1で裁判の傍聴ですか。
はい。中学校(慶応義塾普通部)で毎年、卒業生を招いた特別授業がありました。その一環で弁護士の先生が20人くらいの同級生と一緒に傍聴へ連れて行ってくれました。
覚醒剤取締法違反の事件でした。特別な事件ではなかったんですけど、裁判を見るのは初めてで、すごく衝撃を受けました。
「これはフィクションではない。本当に起きた事件が、目の前で裁かれているんだ」と気づいて。一人の人間が法によって裁かれている現場を目の当たりにしたというか。その時に、司法の最前線を見たような気がしたんです。
【引用】ヤフーニュース(読売新聞・読売中高生新聞、リンク切れです)
中学1年で覚せい剤事件の傍聴とは驚きだが、この事件をきっかけに裁判の傍聴が続く。そこには刑事司法と共に人間ドラマがあり、司法試験というか法曹へのモチベーションが上がったはず。
また司法試験・予備試験では、法律実務基礎科目があるが、実際の刑事裁判の手続きを見学することは、試験の攻略の面でも素晴らしい。
勉強方法は基本的
「司法試験に最年少合格」と言われると、何かウルトラCの勉強方法とか、そもそも地頭が良い、なんてことも頭に浮かぶ。
しかし記事を見る限り、その勉強方法は極めて基本的だ。
- 通信講座の講義を自宅で早聞き
- 高校の課題もあるのでスキマ時間を有効活用
- セルフレクチャー(声を出して自分に講義することで復習する勉強法)の採用
- 寝る前5分間は暗記の時間
そして一番大切なことは、『継続』だという。
伊藤真先生(元LEC講師で現在は伊藤塾の塾長)が話されている「たぶん今日、セルフレクチャーも寝る前の5分の暗記も、ほぼ全員がやるでしょう。1週間後にやってくれる人は半分ぐらいかな。1年続く人は1割もいないです」も興味深い。
【切り分け】司法試験は合格が目標、大学は真理の探究
――そして今年(2021年)、司法試験に合格しました。「もう大学卒業を待たずに司法修習に行こうかな」と思ったことはありませんか?
たしかに「法律の勉強」という点だけを見れば、司法試験の勉強も今の法学部での勉強も、それほど変わらないかもしれません。
ただ、両者は目的が違うんですよね。つまり、司法試験は「難しい」とは言われますが、合格というわかりやすいゴールがあります。一方で、大学というのは学問や真理の探究の場であり、そこにゴールはありません。
なので、今まで試験勉強として見てきた法律を、大学の場でまた別の視点から勉強するのは、意義があることだと思っています。「大学は真理の探究の場」という部分は、これも伊藤塾長の受け売りです(笑)。
これはとても大切な視点だ。
司法試験は「試験」と割り切り、合格から逆算して勉強する(過去問演習とか)。その一方で、大学の勉強の延長で勉強をすると、なかなか合格できないケースもある。
ロースクール経由の司法試験合格率は3割前後、予備試験経由の司法試験合格率は9割前後。この差の原因は「切り分けができていない」ことと断言できる。
やはり試験対策講座を利用して、合格を目指すのがベストなのだ。
【まとめ】とにかく基本を忠実に繰り返すこと
これに尽きる。基本とは「基礎事項のマスター」と「過去問演習」の2つだ。
まずは基本を忠実に繰り返し、そしてできるだけ短期間での合格を目指すことだ。