X(旧、ツイッター)で「法テラス」がトレンドになりました。法テラスは経済的に困窮する人々に法的支援を提供する重要な制度であり、人権保障の観点からも必要不可欠な存在です。
しかし一方で、法テラスの報酬基準の低さや適用範囲の拡大が、弁護士業界に深刻な影響を及ぼしています。
弁護士の負担が増えることで、制度そのものの持続可能性が揺らぎ、結果として十分な法的サービスを提供できなくなる懸念も。そこで法テラスの課題と今後のあり方を考えます。

弁護士制度の維持と人権保障のバランスが大切ではありますが。
法テラスをめぐる問題点
報酬基準が低すぎる
法テラス案件を受任する弁護士の多くが、報酬の低さに苦しんでいます。たとえば、自己破産事件に関する弁護士報酬は、通常の民間弁護士の受任額と比べると極めて低い水準です。
X(旧Twitter)上でも、多くの弁護士が次のように指摘しています。
「法テラス案件は薄利多売にならざるを得ず、結果として弁護士の心身が疲弊する」
「数件受任すると事務所経営に影響を及ぼすレベルの低報酬」
また、刑事事件の国選弁護も同様に報酬が低く、特に地方では弁護士のなり手不足が深刻化しています。
報酬基準を見直し、法テラス案件の適正な対価を確保することが必要です。地域ごとの物価や人件費を考慮し、地方の報酬水準を引き上げるといった措置も検討すべきでしょう。
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サービス範囲の拡大が業界を圧迫
現在、法テラスの対象範囲が広がりつつあり、資力要件の緩和やすべての民事事件の対象化といった動きも指摘されています。
「資力要件が撤廃され、全ての民事事件が法テラスの対象となったら、弁護士業界は壊滅する」
このような懸念の背景には、法テラスの安価な報酬基準が業界の標準化につながるリスクがあります。
もし、すべての民事事件が法テラスの基準で処理されるようになれば、弁護士は生活のために大量の案件を抱えざるを得なくなり、質の高い法的支援を提供することが困難になります。
法テラスの適用範囲を現行水準で維持し、むやみに拡大しないことが重要。民間弁護士との競争環境を確保し、適正な市場原理を維持する必要があります。

法テラス基準が「市場の標準」になり、弁護士業務が崩壊する
報酬基準の低い法テラス案件が増えることで、民間弁護士の報酬相場まで下がる危険性があります。X上では「法テラス報酬がデフォルトになれば、弁護士業務は成り立たない」との声も。
若手弁護士のキャリア形成への影響も深刻です。低報酬の法テラス案件ばかりを扱うと、弁護士は経済的に安定せず、優秀な人材が業界を去るリスクが高まります。
また、弁護士の「安売り」が定着する懸念もあります。医師が保険診療のみで経営を維持できないように、弁護士も法テラス基準だけでは事務所経営が難しくなります。
法テラスの報酬体系を見直し、業界標準とならないよう調整することが不可欠であり、法テラスの案件と民間案件の「棲み分け」を明確にする必要があります。
地方と都市部の格差
法テラスの拠点が都市部に集中しており、地方では十分な支援を受けられないという指摘も。
「都市部の一等地には法テラスがあるが、地方では十分に機能していない」
「地方弁護士の負担が過大になっている」
地方での法テラス拠点を増やす、またはオンライン相談を拡充することが求められます。地方の弁護士の報酬水準を都市部より高めに設定するなどの対策も検討すべきです。
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悪質業者の介入
一部の司法書士法人などが高額な費用を請求し、結果として法テラスに駆け込む利用者が増えているという事例も報告されています。
「破産が必要な人が、任意整理を強要され、高額な費用を支払った後に法テラスに流れ込む」
このような事態が放置されれば、本来の支援が必要な人々に適切な法的サービスが行き届かなくなります。
司法書士・弁護士による不適切な勧誘を規制し、法テラスの利用者向けに「適正な法的手続き」の啓発を強化することが求められます。
まとめ、問題点と解決策
法テラスは、経済的困窮者にとって不可欠な制度であり、人権保障の観点からもその存在意義は揺るぎません。しかし、その運営には持続可能性が求められ、弁護士業界全体のバランスを考慮する必要があります。

問題点と解決策は次の通りです↓
- 法テラスの報酬基準を引き上げ、弁護士の負担を適正化する
- 適用範囲を広げすぎず、民間弁護士と共存できる制度設計を行う(市場とのバランスを保つ)
- 法テラス基準が「市場の標準」とならないよう調整する
- 地方の法テラス拠点を拡充し、地域格差を是正する(法的支援の均等化)
- 悪質業者の規制強化と、利用者への適正な情報提供を進める(適正なリーガルサービスを提供)
法テラスの拡大が、弁護士制度の崩壊を招くことのないよう、司法業界全体で持続可能な制度改革を進めていくことが求められます。
X(旧、ツイッター)での反応
とりあえずワシができることは
— 大阪名物パチパチ弁護士 (@obpmb3fN93mQI9i) February 15, 2025
「法テラス価格は安すぎて大赤字で数件受任すると経営に影響を及ぼすレベル」
「国選報酬は安すぎて刑事弁護の要求水準は高すぎて数件受任すると心身が病むため弁護士が次々撤退敬遠するレベル」
ということを言い続けることやわ。
何もせんよりマシやろ。
これなんですよ。
— ちんあなご (@GN9bES0waTQLI7H) February 15, 2025
法テラスがいまの報酬基準のままどんどん範囲を広げていった場合、業界丸ごとだめになりますよ。そんな業界を優秀な人が目指すわけもないので、法曹三者含めてだめになりますね。 https://t.co/gm8yQUXJTF
文句あるなら法テラスと契約しなければいいと言う人がいますが、契約してなくても業界全体に対する影響が大きいのでずっと言い続けたいです。 https://t.co/FViouqjIm9
— オパンピオス@弁護士投資家 (@opanpios) February 15, 2025
客観的に見て任意整理は無理だろうという債務額と収入状況な人が、とある司法書士法人に依頼したけど、すぐに挫折して、自己破産に方針切り替え…法テラス利用…という案件を受けたことがある。
— ニャンコ野郎 (@nyankoben) February 14, 2025
参考までに、その人が持参した司法書士法人の料金一覧表を興味深く見せてもらった。…
もう法テラスも国選もやめよう。別に経営弁でもないから生活ができないとかは全然ないけど、こんな舐めくさった大本営に従う必要もないし、弁護士を舐め腐った報酬体系で仕事させられるくらいなら、その時間で家族との時間や趣味の時間に充てたい。 https://t.co/FfaFbFVKAB
— もうよんほん (@shimayumi9) February 14, 2025
私も法テラス切ってますが、ここのやり方=弁護士を職業として考慮していない=が蔓延することで、業界破壊ができてしまうという。 https://t.co/QAGv5XGZB9
— 向原総合法律事務所 弁護士向原 (@harrier0516osk) February 15, 2025
すべて、同意見です。
— やるやん (@IPA_law) February 15, 2025
個々の会員が声を上げること(投票行動を含む)、
周囲の同業者に危機意識を共有していくこと(ツイッター含む)、
くらいしか思いつきません。
昨日会務に出て、
①法テラスによる市場破壊問題
②弁会がでしゃばり過ぎ問題
③国選報酬1.5倍にすべき論…
要らん来んな言うてんのに、県庁所在地の一等地に作るのに
— うそつきべ んごし。💉×5 (@LiarLawyer800) February 15, 2025
来てくれとお願いしてる地方には行かへんねんから
責任持って法テラスが全地域の尻拭いしたらええ
それができんのやったら、報酬倍にせえよ。
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